お仕事報告(簡易ポートフォリオ)
関わったお仕事のリンクをまとめています。
本業でも副業でも、新しいお仕事がたくさん来るので、なかなか実績をきちんとまとめる時間がとれない…。
せめて、脳内以外にも、手掛けた素敵な思い出を残しておこうと、リンクだけまとめています(備忘録)。
現在の本業はビジネス系ですが、マンガや音楽などのカルチャーも好きです。現在は、女性エンパワメントやダイバーシティにつながるテーマに興味があります。
副業では、会社の仕事とは異なる経験をしたり、いろんなクリエイターとお仕事をご一緒するのが目的なので、「こういうネタどうですか?」というご相談はウェルカムです(もちろんギャラはいただきますが)。
企画もインタビューも、編集さんやライターさんと原稿を磨き上げていくのも大好きです。個人的には、自分で書くよりも、素敵なライターさんの原稿を編集するのが幸せ。
※コンタクトは、友人・知人のご紹介がメインですが、もし面識ないけど…という方は、TwitterのDMよりご連絡お願いします
ハードワークな編集者が今年買ってよかったもの2021
今週のお題「買ってよかった2021」
インターネット風物詩。
このテーマの投稿がちらほら流れ始めると、「今年も終わりだなぁ」としみじみします。
自分は今まで書いたことない気がするけど、投資してよかったな〜と感じるものをいくつかまとめてみようかな、と。
(なぜなら、大変久しぶりに何にも追われない正月休みモードだから)
1. さとなおオープンラボ(さとなおラボ)
ここを書きたくて、今回筆を執った感。
「何それ?」と思った方に簡単に説明すると、マーケティング分野の名著『ファンベース』(ちくま新書)であるコミュニケーションプランナーのさとなおさん、こと佐藤尚之さんから「伝える仕事」の学びを共有してもらう講座です。
正確には昨年末に申し込んだので2020年の買い物ですが、年始から隔週で約3カ月間みっちりと受講しました。
どのくらいみっちりかと言うと…
- 平均5時間の授業 × 全10回
- 使ったスライド枚数 5200枚
- 課題図書 7冊(プラス、さとなおさんの著書3冊も読了)
- グループワークの課題は、大きく4つ。最終課題は、実際の企業さんに対する施策プランニング+プレゼン
これだけのものをギュギュッと注ぎ込まれた日々で、「伝える」を徹底的に学ばせてもらいました。
なんで受講したの?
私は、今年で編集者歴8年目だったのですが、今までほぼほぼ実地というか、見よう見まねでしのいできたキャリアだったな、と。
というのも、2019年末にNewsPicksのブランド広告制作の専門チーム「Brand Design」に転職してから、まるで何もできなくなってしまったという…。
たしかにビジネス・経済ジャンルはそれまでほぼ未経験。とはいえ、オウンドメディアの制作や、前職のBuzzFeedでも同じくブランド広告を作ってきました。
「畑が変わるけど、これまでの経験を活かして頑張るぞい」って飛び込んだら、畑じゃなくて田んぼだったくらいの衝撃。
自分が何年もかけて培ってきたものはなんだったのかと、愕然としながら、それでも意地だけで走っていましたが、2020年はもう本当に思い出したくないくらいボロッボロになりました。
そんなときに、ラボの募集開始を教えてくれたのが、編集の師匠である宮脇淳(a.k.a. 鬼の宮脇)さんでした。
「忙しいし、(来年無職になってるかもだから)お金ないし」とゴチャゴチャ言う私に、「もし金銭面だけの問題なら貸します」とまで言ってもらって、自分に投資する覚悟を決めました。
何が得られたか
一つは、仕事の土台となる「コミュニケーション/広告における基礎的な知見」です。
さとなおさんが常々おっしゃっていたのは、「どんな仕事でも70点を取るのがプロ」。課題の講評でボコボコにされながら、その価値と難しさをひしひしと感じていました。笑
もう一つ「目的は、伝えたい相手を笑顔にすること」というのは、たぶん一生忘れられないと思います。伝えたい相手って、たぶん編集者に限らず、ほぼすべての職業において間接的にでも存在するはず。ある意味では、どんな仕事にも役立つ土台だと思います。
ラボの前後で大きく変わったのは、今の仕事が本当に楽しくなったこと。
もう一つは、「一生の仲間」です。
ラボの目指すものとして「ラボは知見を得るためだけの集まりではなく、一生の仲間になること」が応募の時点ではっきりと掲げられています。上に貼った募集告知のnoteにも、何度も出てくるフレーズ。
正直なところ、私はこの手のノリに大変抵抗がある人種です。でも、仕事でクッタクタになっているところにオンラインで集まって(今回はコロナ禍で、リアルで会えませんでした)、課題のために2時間も3時間も、ときには日付が変わるまで、グループワークするわけです。むっちゃ仲良くなった!!!
こういう、否応なしに同じ時間を過ごすことって、仕事以外だと全然なくなっちゃうんですよね。ちょうどコロナ禍で、「自分の人生は本当に孤独だな〜」と感じていたので、16人のクラスメイト、特に同じチームになった3人には、精神的にかなり大きな支えになってもらった感があります。
得たものが大きすぎて、投資した10万円は今思うと破格。次回がいつ開催になるかわからないし、白目を剥くくらい大変ですが、まーじでオススメです!
2. オフィスチェア
急に普通か! Amazonのタイムセール祭りで3万ちょいのときに買いました。
何もおもしろくなくてすみません。でも、マジでハードワーカーは絶対に絶対にオフィスチェアに投資すべきだと、実体験を以て力説します。
というのも、夏頃にエコノミークラス症候群で、緊急入院する羽目になり…。
要因は特定できず、いろいろあるのですが、医師の先生や看護師さんから聞いた話では、私と同じ肺血栓で入院される方が、ここ1年で増えているそう。そして、みんな「テレワークしている」と言うそうです…。
私の会社は当初から出社義務なしのフルフレックスで、コロナ禍で即座に完全テレワーク化。仕事でも趣味でもパソコンの前に張り付いているなか、「椅子に何万円も出すのはちょっと…」と、安い折りたたみチェアにクッション敷いて働いてました。本当に浅はかでした。
よく「人生の3分の1は睡眠時間なんだから、寝具はいいものを使うべし」といいますが、これハードワーカーは椅子です。なんなら半日くらい座ってる人いませんか?
人生で初めて自分のお金で入院したんですけど、入院費むっちゃ高いです。そこまでいかなくても、腰痛のケアだったりに時間やお金がかかるなら、そこを軽減できる方法としてオフィスチェアなんて安い投資だと思います。
3. 食事の冷凍宅配サービス
簡単にQOLが上がる宅食サービス。私は低糖質メニューが豊富な「nosh(ナッシュ)」を使っています。
食べるのは大好きでも、いかんせん忙しいと「自分1人の食事って、本当にどうでもいいナァ〜」と思うしキッチン狭いし、そもそも仕事で頭いっぱいだと献立を考えるとか無理!
なので普段の食事が、「豆腐と冷凍ブロッコリー」とか、コンビニアイスだけとかがデフォルトになっていました。
今年は緊急事態宣言が長く、外食の機会もうーんと減ったし、体も壊したし、さすがに食事にも気を遣うか…と試してみた次第。
noshは、ロールキャベツとかハンバーグとか、天地がひっくり返っても自分で作らないメニューが割とお手頃な価格で楽しめるかつ、スーパーやコンビニのお惣菜よりも健康的な栄養バランスなので、とてもありがたいです。お子さん含む3人家族の同僚も愛用していると聞いて、意外と単身者以外にも活用できるよう。
困るのは、費用を抑えようと1回に届く量を増やすと冷凍庫がパンパンで、アイスが入らなくなること…。
4. MOW
今季のセブン限定MOW「ピスタチオ&チョコート」がどのくらい美味しいかを写真で表現しました。 pic.twitter.com/1A8lguh3o9
— 中道薫 (@nakamichikaworu) 2021年11月15日
私の推しアイスクリーム。
特に、今年の4月に出たリッチ版「MOW PRIME」のゴールドラムレーズンとバタークッキー&クリームチーズ、それからセブンイレブン限定のピスタチオ&チョコートは特に狂ったように食べていた気がします。
1日の水分をすべてこれで賄っていた日もあるとかないとか…。
私の最推しアイスへの溢れる愛を"ストップMOWション"で表現してみました。
— 中道薫 (@nakamichikaworu) 2021年6月20日
どうか伝われ、MOWの魅力…!#MOWをPRしてみた #StopMotion pic.twitter.com/qCXiOefeBj
愛が募りすぎて動画まで作った。のち、キャンペーンで選ばれて賞金をいただきました。
MOWはさすがに仕事にはなってないけど、「推しを語り続ける」って結構大事です。意外とこういうのがセルフブランディングになっていて、思わぬ案件が舞い込んだりするので、好きなものへの愛は、惜しみなく語っていきたい所存。
甘いものお好きな方は、ぜひ同じ価格帯のアイスと食べ比べてみてください!
冷凍庫に常に置いておけるお値段で、このクオリティは超すごいです。森永乳業さんを引き続き推します。
5. セルフ写真館
K-POPやら韓国ドラマや韓国料理やら韓国コスメやら、とにかく韓国にどハマりしているなかで、とある10代向けのメディアの記事で知った「セルフ写真館」なる韓国発(?)のサービス。
ざっくり言うと、一眼レフカメラとストロボがセッティングされたスタジオで、好き勝手にシャッター切り放題。撮影データも、まるっと転送してくれる的な仕組みです。
だいぶ雑な表現ですが、高級なプリクラみたいなものだと思ってください。
閑話休題。学生時代の友人って、忙しいとどうしても疎遠になります。それでも、私くらいの年齢だと誰かしらの結婚式で、年に1〜2回はみんなで集まって、写真を撮ってが当たり前。
しかしそんな機会も、コロナ禍になってからは全然なくなってしまって、ふとiPhoneのフォトライブラリを見ていて「ぜんっぜん思い出がない…!」と愕然としました。
2020年の、2021年の自分と友だちの記録を残したいなーと、“何でもない日の記念写真”を撮ろうと、友人に声をかけました。
普通に生活していると、自分の写真ってなかなか撮られる機会がないし、近影って仕事柄も意外と使うので、アップデートできてよかったです。
以上、仕事の観点で選んだ買ってよかったものでした。
コンテンツ系のよかったものを書き忘れたけど、パッと思いつくところでは、『ルックバック』『ねぇねぇ、ねねさん』、『スタートアップ 夢の扉』(キム・ソンホLOVE)、中村佳穂さんのライブ、BTSのLAコン等々…。
仕事に関係なくだと、まだまだ韓国コスメのアレとかコレとか、お洋服だとマメクロとユニクロセオリーとか。
今年は仕事に熱心で、プライベートが少なかったので、来年はバランスをとりつつ、もっともっと欲張っていきたいと思います。
それでは、またの日まで。よいお年をお迎えください。
人を殺した日に考えたこと
※この記事はnoteより移行したものです
プロレスラーの木村花さんの訃報が目に飛び込んできた時、真っ先に頭に浮かんだのは「自殺だ」でした。
亡くなるに至るまでの詳細はまだ明らかになっていません。でも、Netflixで今シーズンの『テラスハウス』と、それに対するネット上の反応、ご本人のSNSまで見ていたら、思い当たることが多すぎるほど。
仮に自ら命を絶ったとして、何が決定打になったのかもわかりません。「毎日100件近くの率直な意見」のうちの1件なのか、生業とするプロレス、もしくはプライベートで耐え難いことがあったのか。その全部が重なったのか、ふと思い立ったのか。
少なくとも、SNS上で木村花さんへの数々の誹謗中傷やネガティブコメントがあったのは事実です。
予想できたことへの責任と後悔
私は最初こそ、誹謗中傷した人や、そういった行動のきっかけとなるコンテンツを提供していた制作サイドへの怒りが湧きました。
でも、毎週の更新を楽しみにしていた視聴者がいるから、テラスハウスは人気番組だったんですよね。「最近のテラハって悪口ばっかり」「観ていてしんどい」なんて言いつつ、観るのをやめなかった。私もそのうちの1人です。
需要があるから供給がある。そう考えたときに、「自分は人を殺したんだ」と感じました。
なので、これは懺悔の記事です。大上段から何かを批判する意図はまったくありません。
課題はどこにあるのか。いち視聴者に何ができるのか。私なりにこの2日間で考えていたことを、たぶんこの先もリアリティ番組の視聴者である自分のために。そして私と同じく、今回の報道に後悔の念を抱いた人にとっても、何か考える種になれば、と思って書き残します。
リアリティショー出演者の過酷な境遇
台本や演出がないとされるリアリティショー。なかでも、「恋愛リアリティ番組」と呼ばれるジャンルは、世界的にも人気があります。
テラスハウスも、アメリカのTIME誌が発表した「2018年のベストテレビ番組10」で6位に選ばれるなど、海外にも多数のファンがいます。木村花さんの訃報も、イギリスのBBCやアメリカのFOX NEWSで記事になっていました。
そういったリアリティ番組の出演者の自殺について、少し調べても、過去に複数件報じられているのがわかります。
“韓国版テラスハウス”ともいわれていた『チャク』では2014年に1人、イギリスで4年続いた『ラブ・アイランド』は、2018年〜2020年に1人ずつ計3人。トーク形式の『ジェレミー・カイル・ショー』で2019年に1人。
ラブ・アイランドのうち1人は司会者なので当てはまりませんが、その他の出演者はみな一般人として出演しています。
なかには、タレント的な活動をしている人もいるかもしれません。でも基本的に一般人。覚悟の上でも、慣れてはいないわけです。
しかも、リアリティ番組ゆえに、ちょっとした発言も行動も、その人個人の“リアルな姿”としてジャッジされがち。個人攻撃・人格否定につながりやすいため、出演者のメンタルケアは最重要課題です。
テラスハウスのように長く続いている番組であれば、そんなことは重々理解しているでしょうし、専門家のサポートや対応マニュアルはすでに存在するのかもしれません。
コロナによる撮影中止で、スタッフや本来支え合えるはずの同居人がそばにいられなかったのが、事態を悪化させたとも考えられます。
本人へのサポートに手を尽くしていたならば、たとえば誹謗中傷する人たちに対して、制作サイドが強い態度で臨むといった手段も取れそうです。
「出演者のアカウントに対する誹謗中傷コメントには、法的措置をとります」と示し、該当アカウントに警告することで、完全になくなりはしなくても、抑止力くらいにはなったり、してくれないかな…。
リアリティ番組の視聴者としての心構え
制作サイドやSNSに、さらなる誹謗中傷への対策を講じてほしいと訴えるだけでなく、自分たち視聴者が変わる必要性も感じています。
うっかり頭の外に飛ばしてしまいがちな前提を整理しました。
1)リアリティ番組は“事実”ではない
改めて肝に銘じなければならないなと思ったこと。
番組内で描かれているのは、実在する人たちによる現実の出来事ではあるが、編集されたコンテンツ。必ず制作サイドの意図が介在する。視聴者に提供される情報は、出来事の一部分でしかない。
たとえ、毎回言い争うシーンが放送される2人がいたとしても、それ以外の圧倒的に多くの時間は、にこやかに過ごしているかもしれません。カメラの外側があるのを忘れないこと。
2)リアリティ番組の出来事にはタイムラグがある
テラスハウスでいうと、2カ月ほど前の出来事が配信されます。観ているだけで胃が痛くなるようなケンカも、キュンとするような告白シーンも、2カ月前に起こったこと。
テラハでよくある「何かが起こったシーンの途中で次回へ続く」と引っ張る展開になって、「うわ、これは来週めちゃくちゃ荒れそう…」と思っても、実は直後にすんなり終わっていたり。
“もうとっくに済んだ出来事の途中までしか知らない第三者”に何がジャッジできるでしょうか。そう思うと、語れる言葉も変わってきそうです。
3)完璧な正論であっても、批判は受け入れられることばかりではない
誹謗中傷は問答無用でダメだってことは、多くの人が理解できているはず。では、もしもまっとうなロジックで、出演者に対して物申したいとしたら?
残念ながら、それが正論だとしても、聞く耳を持ってもらうのは難しいんですよね。
たとえば、その道の専門家としてのアドバイスなら話は多少変わってくるけど、無関係の人の指摘を、真摯に受け止められる人って少ないと思います。だって、すごく信頼している間柄でも、素直に受け入れることばかりじゃないはず。
相手にとってネガティブな内容は、特にそうです。“ロジック“と“関係性”が揃って初めて、相手に聞く姿勢(スタート地点)をとってもらえる。
SNSは特に、著名人とも直接つながれるので、関係性を錯覚しやすいです。自分の行動が、純粋な親切心や正義感からだとしても、「諭したい」「考えを改めさせたい」って発想は、ちょっと危険だと思うのです。
リアリティ番組の視聴者としてできるアクション
今回のような悲しいことは、絶対に起こってほしくない。そのために一人ひとりの視聴者にできることは多くありません。
それでも、集まれば力になるのでは?という考えをもとに、具体的なアクションを考えてみました。
1)ポジティブなメッセージを送る
ネット炎上を見ても、SNSはネガティブが拡散しやすい側面があります。対抗するならプラスの数を増やすという単純な発想です(笑)。
ネガコメと違って、ポジティブな言葉なら、相手との関係性を問わず受け入れられやすいもの。もちろん、無理にヨイショする必要はないけれど、知らない誰かの心無い一言でも傷つくように、応援が少しの力になることもあるはず。
今まさに、テラハの共演者たちも、訃報に対してリアクションし始めています。投稿だけでなく、インスタのストーリーズでも、ビビは号泣しながら「I don't know how to live」と自分を責めていたし、えみかは「今さら何を言っても遅い」という旨のDMが届いていると明かしていました。
すでにたくさんのファンが励ましや気遣いのメッセージを送っているので、そこに加わるのは、一番手軽なアクションだと思いました。
2)誹謗中傷には、対抗せずに報告する
誰かからの批判は受け入れにくい。それは対出演者だけでなく、一般のSNSユーザーも同じです。
故意に人を傷つけようとしての誹謗中傷だろうと、正義感がから回った末の誹謗中傷だろうと、その行動を反省させたり改めさせたりするのは、残念ながら難しい。これは特に自分が忘れがちなので、重ねて書いておきたいです。
であれば、できることは何か。誹謗中傷をプラットフォーム側に報告することです。Twitterにもインスタにも、各投稿から直接、問題点を報告できるシステムが備わっています。
正当性があり、報告の数が集まれば、もしかしたらプラットフォーム側でコメントの削除対応や悪質なユーザーのアカウント凍結といった対処をしてくれるかもしれない。報告データが集まれば、将来的に自動で誹謗中傷を排除可能になるかもしれません。
3)問題点はスルーしないで、然るべき先に声を上げる
最近のテラハの番組そのものが、出演者への悪口や攻撃を煽る空気になっているのでは…とモヤモヤしていた人は、ゼロではなかったと思います。そんな人なら、声を上げられる先は他にもあります。
民法やNHKといった放送局に対する意見は、BPO(放送倫理・番組向上機構)という第三者機関へ。Netflixにも、専用の窓口はないけれど、ヘルプセンターの右下に問い合わせ用のライブチャットがあります。
自衛という観点なら、観るのをやめるという選択肢が一番簡単ではあるけれど、せっかくなら然るべきところに声を届けてみるという選択肢もある。
それは、気に入らないコンテンツを排除するってことではなくて、よりよい形でコンテンツを存続させていく足がかりになるはずです。
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リアリティショーというジャンルは、きっと今後もなくなることはないでしょう。であれば、全力で再発防止に取り組むべきだと思います。制作サイドも視聴者も。責任の一端はきっとある。
「素敵な恋を探しに来ました」
テラスハウスに入居してきたばかりの、はにかむ花の姿を思い出すたびに、結末がこんな形になったことが、悲してくなりません。
心よりご冥福をお祈りいたします。
そうして、女は捨てられるようになる。
※この記事はnoteより移行したものです
「なんか、煩悩が強そうだよね」
ついうっかりと、2皿目の餃子を注文し終えたところだった。
たしかに自室を思い浮かべれば、これは絶対読まねば、と意気込んで本や雑誌、マンガ、映画のパンフレットが緩やかな稜線を描いている。
クローゼットはどうだろう。次々と投入される新参者によって、いつかの勝負服たちが押し出され、メルカリ待ちのまま、これまた部屋の片隅に小山を築き始めた。
寝食だって、いつまででも貪れてしまうのだから、彼の先ほどの一言は、気持ちの良いほどに的の中心を射抜いている。
「えーやだ、なんでわかるのー?」なんて受け流しつつも、ちょっといいなと思い始めた異性に言われて嬉しい言葉ではない。
餃子、やめときゃよかったかな…。
「煩悩が強いのでお酒が足りませーん!」
アルコールの勢いも借りて、半ば無理矢理上がりこんだ彼の部屋は、無印の展示みたいで。うちとほぼ同じ間取りだと気づくのに、たっぷり30分はかかった。
選び抜かれたインテリアのなかでも、ひときわ品のいい小ぶりなソファに横並びで腰掛け、決して不快感を与えない距離感を彼はキープしている。
終わりの見えない会話は、少しの沈黙すら楽しいほどだけれど、そろそろ物足りなくなってきた。彼が手に持った缶を飲み干した瞬間を見計らい、その場に押し倒す。
「やっぱり煩悩が強いなぁ」
深く沈み込みながら、彼は笑っていた。
そうして既成事実を手に入れたら、今度は“彼女”という肩書が一番欲しいものになる。餃子の夜を超えて目覚めると、とんとん拍子でその称号を得た。彼からの申し出だった。
「だって、こんなに煩悩が強いなら、遅くとも明日には迫られてるでしょ」
どうせならと、一気に決めてしまった同棲は、彼が私の家にやってくる形で始まった。
いくつかあったはずの家電も、あの小さなソファもどこへやら、荷物は割と大きめのボストンバッグだけだと言う。足の踏み場に困るとはいえ、その程度の量なら私の部屋にも収まる。無事に二人の空間の完成だ。
ソファベッドで「暑い狭い」と押し合い、笑い疲れて目を閉じると、これ以上もう何もいらない、なんて思えてしまったのだから不思議だ。
本当に不思議。
その気持ちに嘘はなかったのだけれど、やはり煩悩が強すぎるのかもしれない。
ねぇ、と口を開けば、私を好いてくれる理由を欲しがり、もっと一緒に過ごす時間を欲しがり、愛情表現を欲しがり、未来永劫続く約束を欲しがった。
「そろそろ冬物を出さないとね」なんて言い始めた頃、出て行くと彼は言った。
二人で買った家具も食器も全部置いて、「悪いけど、処分するならこれで」とお金の入った封筒まで置いていった。
部屋の中はほとんど変わりない。ただ、そこかしこに生まれたほんの少しの隙間が、居なくなった存在をうるさく主張する。元は私の物が置かれていたはずなのに、なぜかパズルのピースが違うとでも言うように、元のように塞ぐことができなくなっていた。
隙間を消すには、もっと隙間が必要だ。
煩悩を捨てよう。断捨離しよう。こんまりしよう。
まずは彼用のカップや枕を捨てた。なぜか観覧車乗り場で強制的に撮らされた記念写真も。二人で選んだ本棚は、まだ使えるから悩んだけれど、処分を決めた。
ならば、彼も使ったタオル、食器、一緒にくつろいだソファベッドも掛け布団ごと、彼の触れたものはすべてゴミに出そう。
それでも足りない気がして、積ん読の山を削り、二軍はおろか、大事にしすぎて着られずにいた服も、丸一日コーディネートに悩んだ、あの日のデート服も、靴も、アクセサリーも半透明の袋に押し込んだ。
唯一プレゼントしてもらったピアスは、ベランダから放り投げた。通行人がいないのを確認して、通りの向こうの川めがけて飛ばした2つの小さな金属の塊は、土手のフェンスに当たって、ただカシャンと音を立てた。
そうして今、好きだ、という気持ちだけが残っている。
(了)
===
今年こそ断捨離するぞという決意表明をするつもりが、こうなりました。公開も1月中のつもりが…あああ…。
愛が大きすぎて、ツイートほぼ死ぬ問題
※この記事はnoteより移行したものです
ツイートしようって思ってTwitter開いた瞬間に、「ルイ・ヴィトンのLINEスタンプが登場!」というプロモツイートが目に入り、を何をつぶやこうとしていたのか忘れました。そんな1日。
仕方なく、下書きを開いてみて、
ツイートしそびれていた下書きが100個くらいありました。
今回は、なんでこんな状態になってしまうかを考えていきたいと思います。思いつきなので、粒度はバラバラです。
- その1:全力で語りたくなってしまうから
- その2:投稿内容にこだわりだしちゃうから
- その3:あれこれ調べちゃうから
- その4:スベると申し訳ないから
- その5:同業者、めっちゃ見てるから
- その6:身内びいき的な偏りが心配だから
- その7:もう全ユーザーが閲覧済みな気がするから
- 結論:もうシンプルにRTしよう。
その1:全力で語りたくなってしまうから
たぶんこれが最もありがちなパターン。
私がツイートしようと思う動機は、自分の心が動いた物事を、理由とともに誰かに知ってもらいたいっていうのが多いのです。刺さった記事とか、おいしかったアイスとか、感動した映画とかマンガとか…。
簡潔に「神!」とか「最高かよ」みたいに、一言で表現するのも好きなんです。でも、理由まであればこそ説得力が生まれるし、やっぱり推しについてはあれこれ語りたくなるじゃないですか!
そうなると、まずメモ帳アプリに字数を気にせず書き出して、そこから削ったり分割して連投ツイートにしたり…。時間かかるなと思って、ひとまず下書き保存。迷走した結果、最悪の場合、タイミングを逃して死に至ります。
その2:投稿内容にこだわりだしちゃうから
文章を扱う仕事柄、なんかうまいこと言いたいとか、新しい情報盛り込みたいとかってスイッチが入りがち。一応、Twitterは本名でやっていて、半分お仕事アカウントでもあるので、余計にこの意識は強いかも。そして、タイミングを逃して死にます。
その3:あれこれ調べちゃうから
これも仕事柄ですが、裏取りしだすと地獄。まぁ、そこまで大げさな話じゃなくても、1つ検索して、関連ワードを数珠つなぎに見ていくのって超楽しいじゃないですか。ツイートするというゴールをすっかり忘れ去ったまま、調べ物にふけることもしばしば。そのままタイミングを逃して死にます。
その4:スベると申し訳ないから
せっかくツイートするなら、そりゃいろんな人に反応してもらたほうが嬉しいですよね。
それに加えて、もし自分のツイートがスベったら、紹介したもの自体が巻き込みでスベった感じに見えないかな…と不安。お笑いでたまにある構図。そんなこんなで投稿するか迷ってタイミングを逃して死にます。
その5:同業者、めっちゃ見てるから
特にウェブの記事をシェアするときは、作り手がお知り合いだったりするので、めっちゃくちゃ真剣に文言を考え込んでしまうことが多いです。なぜなら、みなさんエゴサの鬼。めっちゃ見てる。マリア様よりもみてる。直接ご本人の目に触れる可能性があるとなれば、余計に気合いが入るものです。
正解は「そんなにお前個人のツイートに影響力はないし、誰も気にしてないよ」なのですが、自意識をこじらせきっているため、やはりタイミングを逃して死にます。
その6:身内びいき的な偏りが心配だから
これ、BuzzFeedに入ってから地味に一番悩んだやつです。
社内だから直接顔を合わせるという点で、その5の側面もあるんですよね。実際、自分の書いた記事の感想をTwitterやら直接やらいただく機会もありました。
コンテンツとして一つひとつ「すごいな」と思って読んでるんですけど、やっぱり興味範囲、よくシェアするジャンルってなんとなくでも存在してます。そうなると、「自分のいるメディアの記事ばかり!」どころか「あの人の記事ばっかりシェアしよってからに〜!」って社内で思われないか、気になってもうダメ…自意識過剰でタイミングを逃して死にます。つらい。
その7:もう全ユーザーが閲覧済みな気がするから
トレンドに入ってるものによくあるケース。
さすが、いろんな人がツイートするだけあって、めちゃくちゃおもしろいコンテンツだったり何か言いたくなるものだったりします。
でも、すでに結構拡散されてると、なんかもう素晴らしいコメントだらけだし、「ここまで広まってたら、少なくとも私のフォロワーさんの範囲はもう全員見てるか…」みたいな気持ちになって、書いたコメントもガーッと消して死にます。もはや下書きすら残らないで死にます。
結論:もうシンプルにRTしよう。
下書きの中で死んでしまったツイートを見ていて、「やっぱり、これいいよなぁ…つぶやいときゃよかったなぁ…」という気持ちになりました。
そんな後悔をするくらいなら「どうせ私なんて“リツイートは表示しない”なんだ…」とか考えずに、積極的にサクッとRTしていく方針に切り替えるのが吉かも。出さないより出したほうがスッキリするし、本当に愛があるなら、自意識こじらせてる場合じゃないやって話でした。
それでは、またの日まで。