言い方キツくてすみません。

編集者ときどきライター。仕事以外でつらつら書きます。

歳を重ねるほどに

先週末、高校の同窓会に行ってきました。

 

私が通っていたのは、私立の理系大学の付属高校で、学年の約7割が付属中学からエスカレーター式に進学してくるというところでした。

医者の息子や娘たちと、うっかり合格してしまった私なんかでは、すべてが違いすぎると思っていました。頭の出来も、経済的にも。

その結果、まともに友だちと呼べるのは、3年間で女の子1人だけ。今は懐かしき、パカパカの2つ折り携帯電話には、同じ高校の異性の連絡先は1つもありませんでした。

正真正銘めちゃくちゃぼっちだったし、高校時代=暗黒時代です。

 

先日ふとFacebookで友だち申請が来たと思ったら、そんな高校の同窓会に誘われて、これまでなら間違いなく断っていたけど、参加してみることにしました。

10年経ったら何か変わっているかも。あの頃は見落としていた気が合う人が現れるかも…。という都合のよすぎる期待は、見事にぶっ潰されました。

 

当時浮いていたコミュニティに10年越しに入るなんて、自他ともに認めるコミュ障の私にできるわけもありません。冗談抜きで参加者の9割くらい「お前誰だっけ」ってなってた気がします。

「同窓会で再会したことがきっかけで、新しい出会いがある」というのは、積極的にコミュニケーションを仕掛けられない私のような人間には、幻想であるとわかりました。

参加費5,000円はいい勉強代になったと思いたい。

 

むしろ、比較的仲が良かった人も含めて、結婚して子どももいてという人の多いこと多いこと…。普段の生活だと既婚者か適齢期前の人ばっかりなので、これがアラサーというやつかと身をもって実感しました。

結婚している同級生=高卒で働いていた女の子だったはずなのに、大学まで卒業していても、もう“普通に”結婚している時期に到達していたのです。友だち少ないから気づかなかった。

同窓会で昔話に花が咲く…というよりも、実際の話題は近況だったりして。

そうすると、結婚生活のことなんですよね。ましてやママたちは子育ての話で盛り上がっていて。未婚で彼氏なしの自分は、何も話せることがありませんでした。土俵違いすぎて、むしろ聞きたいことすら思い浮かばないくらい。

 

先日発表された流行語大賞で、「日本死ね」がトップテンに入ったことに賛否の声が上がっていて、Twitterを眺めていたら「子育てしたこともないやつは黙ってろ」という意見が流れてきました。

大人になるほど、世の中で“普通”とされている物事を経験していないことで、口を噤む機会が増えていくのだろうか。

もちろん、こんな風にはっきり「黙ってろ」と言う人ばかりじゃないけれど、少なからず「経験してないから言える」「そんなことも経験していないの」とか感じてしまう部分は誰でも心の中にあるように思います。

私だって、たとえば「ずっと実家暮らし」と言われると、「一人暮らししたことない人はわからんだろうけど~」って気持ちになってしまうし。

 

初めて「たとえ好きな相手でなくても結婚・出産しようかな」と思った出来事。

これはネガティブな方向からだけど、その前日に『この世界の片隅に』を観たとき、ポジティブな意味でもこう思ったのでした。ネタバレになるから映画については別でまとめます。

 

今日のBGM:コトリンゴ「悲しくてやりきれない」

 

それでは、またの日まで。